野宿の準備も食事も全て済んで、後は寝るだけ。
「ねーねー、ティトレイにヴェイグ。」
焚き火を囲み、就寝前の語らいをしている時にその疑問は投げ込まれた。
「1つ訊いていい?」
「ん?」
「どした?マオ。」
「2人ともさぁー…
なんで微妙に女装みたいなカッコしてるの?」
ビキッ!
一瞬にして空気が凍った。
「…じょ、女装……?」
いち早く凍結から脱したヒルダが?を頭に浮かべているマオに効いた。
「マオ、どこが…女装、なのよ?」
「えー、長髪と巻きスカートって組み合わせが女装に見えるんですけど。」
「巻きっスカっ…」
マオのセリフにリアクションしながらダメージを受けたティトレイと、
無言で自らを被う氷を厚くしたヴェイグ。
アガーテの姿をしたクレアはそんなヴェイグをコチラの世界に引き留める事に必死になっている。
「マオ、これは巻きスカートじゃなくて腰巻きよ?」
「それは分かるんだけど…なんかスカートに見えるんだよネ。特にティトレイは一周してるし。」
頭を鈍器で殴られたような衝撃。ティトレイはブツブツと言い訳じみた事を呟きながら「まさかそんな風に思われてたなんて…」と目を虚ろにさせた。
ショックが大きすぎて騒ぐにも言い返すにも余裕が無いらしい。
因みにヴェイグを被う氷は1mにもなろうとしている。きっと今の彼には誰の声も届きはしないだろう。
「てゆーか思うんですけど。長髪とかスカートとか、前衛には邪魔じゃないの?特に拳と足が武器な上に髪も纏めてないティトレイ。」
「これはよぉ…スカートなんかじゃ…」
「ティトレイ?」
「マオ、無駄よ。」
続け方が分からなくなりました。